GA4(Googleアナリティクス4プロパティ)とは、最新版のGoogleアナリティクスです。
GA4としてリリースされる以前に、その前身となるプロパティが2019年にアプリ+ウェブプロパティ(App+Webプロパティ)として発表されています。
そして、2020年10月に現在のGA4に名称が変更になってリリースされた、という経緯があります。
これまで用いられてきたGoogleアナリティクスはUA4(ユニバーサルアナリティクス)と呼ばれており、GA4はUA4の次世代バージョンのアナリティクスと言えます。
ただ、次世代と言えどもUA4の機能を踏襲して多少機能を追加したというようなものではなく、もはや別物とも呼べるぐらい機能が変更されています。
GA4とUA4の違いについて、以下で詳しく説明します。
GA4では、Googleの機械学習モデルを使った「予測指標」が導入されており、過去データからの将来の予測がGoogle アナリティクス上で行えるようになっています。
具体的に予測できる内容は「購入の可能性」と「離脱の可能性」です。
購入の可能性に関しては、アプリまたはサイトを訪問したユーザーが、今後7日以内に商品購入に至る可能性を予測することができます。
離脱の可能性に関しては、最近アクティビティのあったユーザーが、アプリまたはサイトを今後7日以内に利用しなくなる可能性を予測することができます。
これらの予測機能により、購入行動をとる可能性がより高いと判断されるユーザーに対してアプローチを行う、などの施策を行うことが可能になります。
UA4では、パソコンやスマートフォンといったデバイス単位でデータ計測を行っていました。
つまり、同じユーザーが異なるデバイスを用いて同じページにアクセスした場合、それぞれ異なるユーザーとして認識されてしまっていたのです。
しかし昨今では、1人のユーザーが複数のデバイスを用いて同じページにアクセスすることは、当たり前のように行われています。
そこで、GA4では異なるデバイスからのアクセスでも同一ユーザーとして認識できる設計に見直されており、ユーザーのクロスデバイス行動(複数のデバイスにまたがった行動)が把握できるようになっています。
アクセス解析データの中心にユーザーが存在するようになったのは、GA4とUA4の大きな違いといえるでしょう。
UA4では、HTMLやGTM(Googleタグマネージャー)で細かなタグを追加して、カテゴリ・アクション・ラベルなどを設定することではじめて、スクロールやページ内クリックといった行動を計測することが可能でした。
しかしGA4では、「ビュー」や「セッション」などの細かな指標がなくなり、データ計測が「イベント」に統一されています。
そのため、細かな設定を行わずとも、「スクロール数」や「サイト内検索」「離脱クリック」「動画エンゲージメント」などを自動で計測できるようになりました。
UA4と比べてGA4は使いづらい、と感じる方もいるかもしれません。
その大きな理由としては、UA4とGA4では根本的な考え方が大きく変わっているから、ということが挙げられるでしょう。
UA4では「セッション(ユーザーによるサイトへの訪問)」を軸にして分析を行っていたのに対して、GA4では上述したように「ユーザー」を軸にした分析へと変わっています。
そのため、指標に対する捉え方などが変わっている部分もあるので、慣れるまでは使いづらいと感じる可能性があるのも仕方ないといえるでしょう。
また、新たな概念や用語が増えた、レポート画面の見え方が大きく変わったといった点も、GA4が使いにくいと感じる要因として考えられます。
GA4が使いづらいという評判が気になる場合は、実際にGA4を導入する前に、デモアカウントを使ってみてどのような機能があるのかを確認してみるのもおすすめです。
GA4にはデモアカウントがあり、Googleのアカウントがあれば誰でもGA4を使ってみることができます。
デモアカウントではGoogleが運営しているECサイトおよびゲームアプリのデータが使用されており、実際のデータをもとに各種指標の確認が可能です。
また、UA4とGA4それぞれのプロパティが用意されているため、UA4とGA4の比較を行うこともできます。
UA4からGA4への移行を考えている方にとっては、いつまでに移行すれば良いのか、移行後はUA4のデータを閲覧できなくなるのかなどは、気になる点でしょう。
GA4への移行タイミングなどについて、以下で詳しく説明します。
UA4からGA4への移行は、2023年6月いっぱいまでに行っておくと良いでしょう。
というのも、UA4に関しては2023年7月1日をもってサポートが終了になることが、すでに発表されているからです。
そのため、遅くとも2023年6月末までにはGA4に完全移行できるようなスケジュールを組んで移行を進めるのが、おすすめです。
GA4に移行した後も、UAで取得・蓄積したデータを閲覧することはできます。
ただし、データの閲覧が保証されているのは2024年1月1日までで、その後どこかのタイミング(現段階では日程は未定)で閲覧不可になることも、宣言が出されています。
そのため、GA4移行後にUAの過去データを閲覧したい場合は、2023年中に確認しておくのが賢明かもしれません。
UA4で取得・蓄積したデータは、GA4に移行・引継ぎすることはできません。
そのため、GA4に移行した後も前年同月比データを比較したい場合は、2022年6月1日までにGA4に移行しておく必要があります。
その点も踏まえて移行スケジュールを組むことを、念頭に置いておきましょう。
GA4のアカウントを作成・導入するためには、タグマネージャーを利用するのが便利です。
タグマネージャーを使ったGA4のアカウント作成・導入方法について、以下で詳しく説明します。
まずは、導入したいGA4の測定IDを確認します。
「管理」→「データストリーム」から該当のウェブストリームを選択すると、画面右上に「G-」から始まる測定IDが出てくるので、コピーするなどして控えておきましょう。
後ほどGTM側の設定で必要になります。
続いて、Googleタグマネージャー側でタグ・トリガーを作成します。
ワークスペース左サイドバーの「タグ」をクリックして「新規」を選択すると、「タグ」と「トリガー」を設定できる画面になります。
タグには名前を付けられるので、GA4のタグであることが分かりやすいような名前を付けましょう。
「タグ」内の四角をクリックすることでタグの種類を選べる画面になるので、タグタイプより「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択します。
ここで、先ほどコピーを取るなどして控えておいたGA4の「測定ID」を入力しましょう。
タグを設定できたら続いてトリガーを設定しますが、ここでは「初期化」を選択します。
ここまでの手順がすべて終わったら、タグを保存しましょう。
GTMでは「プレビュー」という機能を使うことで、タグを実際に公開する前に動作を確認することができます。
タグマネージャーのワークスペース上部にある「プレビュー」をクリックし、確認したいページのURLを入力し「Connect」をクリックしましょう。
別タブで指定したWebページが開かれますが、元のタブに戻ると、ページを開いた際にタグが動作しているかどうかを確認できます。
設定したタグが「Tags Fired」の欄にあれば正しく動作していますが、「Not Fired」欄にある場合はタグが正しく動作していません。
タグかトリガーの設定が間違っている可能性があるので、設定を確認してみましょう。
タグが正しく動作していたら、ワークスペース右上の「公開」をクリックします。
バージョン名とバージョンの説明の入力は任意ですが、入力しておくと管理上便利なので、入力しておくのがおすすめです。
最後に、念のためアナリティクス上でも動作を確認しておきましょう。
「リアルタイム」で自分のアクセスが確認できれば問題ありません。
GA4では、さまざまな要素を計測することができます。
ユーザー属性・流入経路・セッション・ページスクロール数・クロスデバイスユーザーの確認方法について、以下で詳しく説明します。
「ユーザー」→「ユーザー属性サマリー」と進むことで、どのようなユーザーが利用してくれているのかを確認することができます。
ユーザーの国・言語・性別といった情報を把握することが可能です。
「集客」→「トラフィック獲得」と進むことで、ユーザーの流入経路を確認することができます。
主な流入経路としては、organic(自然検索による流入)、referral(リンクからの流入)、display(ディスプレイ広告からの流入)、facebook.com(Facebookからの流入)、t.co(Twitterからの流入)などが挙げられます。
「探索」から空白ボタンをクリックすることで、「変数」の設定を行うことができます。
「変数」の下部にある「ディメンション」「指標」の見出しの横にある「+」のアイコンをクリックして、それぞれ「ランディングページ」「セッション」を選択して保存しましょう。
それぞれが「変数」の列に追加されたのち、「ランディングページ」→「セッション」の順にダブルクリックすることで、画面中央にURL単位でのセッション確認表が生成されます。
「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」と進むことで、表示画面の中に「ユニークユーザーのスクロール数」という項目を確認することができます。
ここの数値がページのスクロール数になるため、ページごとの読了率を比較することが可能です。
「探索」→「テンプレートギャラリー」→「セグメントの重複」から、クロスデバイスユーザーを確認することができます。
デフォルトでは「モバイルトラフィック」「タブレットトラフィック」「年齢:25-54歳」のセグメントが表示されているので、取得したい条件に合わせて設定し直しましょう。
3つのセグメントが重複している数が、同一ユーザーが別デバイスからアクセスしている数ということになります。
最後に、GA4を導入するにあたってよくある疑問について、以下でまとめて回答していきましょう
GA4では、「スクロール数」や「サイト内検索」「離脱クリック」「動画エンゲージメント」などのイベントを自動で計測することが可能なので、より詳細なデータ収集を行うことが可能です。
また、クロスデバイス行動も適切に把握できるようになったので、Webとアプリを横断した分析も行いやすくなりました。
UA4で行えていたIP除外設定ですが、GA4でも行うことは可能です。
まず、「プロパティ」から「データストリーム」を選択し、「ウェブストリームの詳細」で、画面下部の「タグ付けの詳細設定」を選択します。
「タグ付けの詳細設定」で「内部トラフィックの定義」を選択したのち、「作成」を選択します。
「内部トラフィックルールの作成」でルール名とIPアドレス名を入力して保存することで、IP除外設定を行うことが可能です。
Googleサーチコンソールとの連携も、UA4で行えていたのと同様に、GA4でも行うことができます。
まず、GA4の左メニュー下部にある「管理」アイコンをクリックし、連携対象のプロパティを選択した状態で、「Search Consoleのリンク」をクリックします。
「リンク」および「アカウント選択」をクリックして、連携するサーチコンソールのプロパティ選択画面に進みます。
連携するプロパティにチェックを入れて「確認」をクリックし、先ほど選択したサーチコンソールのプロパティが表示されたら、「次へ」「選択」をクリックし、GA4のデータストリーム選択に進みます。
該当するデータストリームをクリックし、「次へ」をクリックし、連携したいサーチコンソールとGA4が正しく表示されていることを確認して、「送信」をクリックしましょう。
「リンク作成済み」と表示されたら、連携は完了です。
UA4とGA4では、多くの指標の名前が変更になっています。
たとえば、UA4で「トランザクション数」だった指標はGA4では「eコマース購入数」
になっており、、UA4で「ページビュー数」だった指標はGA4では「表示回数」となっています。
このほかにも多くの指標の名前が変わっているので、移行してしばらくは戸惑うかもしれませんが、徐々に慣れていきましょう。
ランディングページはGoogleサーチコンソールでは表示できますが、GA4にはランディングページディメンションがありません。
そのため、初期状態のGA4ではランディングページの分析を行うことができない点には、注意しておく必要があります。
カスタムレポートを作成し、計測イベントを追加することでランディングページの分析を行えるようになります。
GA4でのエンゲージメントは、「サイトやアプリに対するユーザー操作」として定義されています。
つまり、「ページビュー」「スクロール」「リンクへのクリック」等のWebサイト上でのアクションが、すべてエンゲージメントとして定義されているということです。
GA4では、「ライフサイクル」→「エンゲージメント」とクリックしていくことで、エンゲージメントを確認することができます。
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